地下から掘り出す資源によって現代の文明が成り立ち、工業化された経済、社会が支えられていることを考えると、「資源」は経済と地球環境と文明を結ぶキーワードと言える。いまや、ここ数十年の目を見張る技術革新と物質文明の進展による世界の経済規模は飛躍的に拡大した。それにともない、IT革命による脱物質化が叫ばれながらも資源・エネルギーの消費は膨大なものになった。その結果、地球規模の環境破壊も顕在化して、21世紀に生きるわれわれ現代人は地球の限界に直面した最初の人類世代とさえ言われるようになった。今こそ、日本に半世紀近く欠落していた「資源学」を再構築するとともに、経済と地球環境問題との密接な関係を学び、持続可能な経済・社会、そして持続可能な文明をつくり上げていかなければならないと考える。そして、このような考えが本書を書く動機となった。(「おわりに」より) |